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花ごころ 平成14年春号

テーマ:チューリップ
オランダを連想する花ですが,もともとは中央アジアから地中海南岸地帯が自生地といわれます。
16世紀頃,トルコからヨーロッパに持ち込まれてから品種改良が投機の対象となり,新品種1球が雌牛3頭とか,果てはビール工場一式と交換などヨーロッパ経済に大混乱を巻き起こしたといわれます。その様子はアレクサンドル・デュマの小説「黒いチューリップ」に克明に描かれています。
青を除くほとんどの色があり,丈も10㎝から50㎝,八重はもちろん枝咲きと呼ぶ1茎に5輪も咲く品種もあります。栽培期間の割合に開花期間が短く,花壇全体を埋めるのにはやや不向き。丈の低い草花のあいだやポイントに一時期のアクセントとしての利用が役立ちます。
球根は秋に植え込み,日ごとの温度変化や乾燥を嫌うので15㎝前後と深めに植えるのがコツ。
積雪のある裏日本で良い球根ができるのがうなずけます。深植えのできないプランター作りは冬から春先にかけて乾燥や土の凍結防止に工夫が必要です。花を咲かせた球根は皮だけになり,花後も元気な葉が自然に枯れるまで残れば新しい球根が育ちます。