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花ごころ 平成15年夏号

テーマ: 朝顔
名句名句「あさがおにつるべ釣瓶とられてもらい水~千代女」は、自然の力の偉大さと、それを大切にする人のこころの表現とみられ、私たちの花緑活動の心そのものと言えましょう。
朝顔はヒルガオ科アサガオ属で東南アジアの原産とされ、日本には平安時代の中頃、中国から種が薬用として入り、その後花の美しさに魅せられて観賞用として改良が加えられていきますが、戦乱期には廃れ、平和な時期にはブームと、何回かの波を経ながら江戸時代末期の書物には普通種500種、花や葉のかたちや色の変わった変化アサガオ100種の図が載っており、今のアサガオからは想像を絶する品種が作られたようです。残念ながらこの大部分は太平洋戦争中に絶滅してしまったのです。これら朝顔文化はとうじ当時建立した城や寺のふすまえ襖絵などに残っており、着物や紋章にも使われましたが、祝い事には全くみられません。いっちょう一朝の栄華と蔓の左巻きが左まえに通じるということでしょうか。なお、左手でつかんだとき親指の方向に巻き上がるのが左巻きですが、ネジはこれを右ネジというので議論のいるところです。
八十八夜過ぎに種を蒔き、親蔓には花がつきにくいので3~6節で芯を止め、子蔓またはさらに芯止めして孫蔓に咲かせるのが作り方です。丸葉の種類や、葉が三つに分かれても遅咲きのアメリカアサガオなどは同じ属の別種です。種の薬名は牽牛子、腸を充血させて下痢をおこす下剤、利尿剤になる毒物なので、葉や茎をかじる虫の種類は非常に少ないのです。