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花ごころ 平成17年冬号

テーマ:スイセン

復讐の女神メネシスによって池に写る自分の姿に恋をさせられた美少年のナルキソスは、ついに水死し、遺体は水仙に姿を変えたというのがギリシャ神話からの学名、ナーシッサスの由来の一説。そこから花言葉は、自己愛、うぬぼれとなるようです。
原産は南欧・地中海沿岸地帯といわれ、シルクロードを運ばれて中国に。そのころ日本への渡来の記録はなく、人々が気づいたときには、いま、日本水仙と呼ばれる房咲きの種類が黒潮の流れに沿った各地の海岸に自生していたことから、いつの時期か中国から球根が流れてきたとの説もうなずけます。とにかく、九条良経(西暦1169~1206)という人が書いた色紙が日本で最古の記録とされています。

ヒガンバナ科スイセン属の種類は多く、ラッパ、カップ、八重、房咲きなどの花形や草丈、花色、開花期などによって12の群に分けられ、品種は1万を超えるといいます。
花が終わって6月中ころに葉が枯れるまでのわずかな期間に、葉の光合成で造る栄養を球根に十分溜めれば間もなく次の花芽を孕んでしまうので、日陰や混雑による日照不足、ましてや葉を刈り取ってしまうなどすれば、来年の花は咲くはずがありません。根の動きは割合に早いので9月上~中旬に植えるのがよく、2~3年は植え替えしない方が無難です。
浅植えでは分球して小玉になりやすいので、球上10cmは埋まるように植えます。