News

花ごころ 平成18年秋号

テーマ:クジャクソウ

漢字は「孔雀草」、フレンチマリーゴールドという名称が一般的でしょうか。日本では元禄時代からなじみの花ですが、元をただせばメキシコ原産がヨーロッパを経て入った花です。
熱帯高地メキシコは一年中、昼、夜の時間比があまり変わらず、空気はさわやかでちょうど日本の秋の感じ。ところが、クジャクソウにとって日本の夏の日の長さ、雨の多い蒸し暑さは最悪の環境で、茎葉は茂りやすく、花、葉は腐れる。日の短い早春に蒔かれてわずか10cmで咲きそろったポット苗も、梅雨どきの花壇ではぐんと少なくなってがっかりさせられることがあります。しかし、長い間の品種改良の努力があって、花壇にはなくてはならない花となっており、上手に夏を越したときの秋の花はまた格別です。
いまの品種は、かなり薄くなりましたが独特の臭気のため嫌われることも多く、この臭気成分は、植物の根に傷をつけて腐らせる根腐れ線虫の繁殖を抑えることが知られており、無農薬栽培の助っ人として脚光を浴びています。すべての虫を避けるような誤解を受けている場合もあるようですが、そんな植物は存在しません。
4ヶ月ほど植えておけば効果があるといわれますが、満開時に花全体を土に鋤き込めば効果はさらに高まるそうです。臭いものにも蓋ばかりせず、ときには掻き混ぜてみることも必要なのですね。