Newsお知らせ
花ごころ 平成19年春号

テーマ:シクラメン
花はユリ科のカタクリに似ていますが他人の空似、こちらはサクラソウ科でむしろ身内に似た者がありません。原産地は別名のカガリビソウどころか、今も大きな戦火が吹き荒れる東地中海の沿岸地帯です。シクラメンという属名の由来は、ギリシャ語の円、旋回という意味が、学名のラテン語に言い換えられたものといわれ、花が受精すると花茎が株元に螺旋状に巻いて実を結ぶ性質からきたものです。ところが、今の園芸種はシクラメン属15種ほどの中のペルシクムという螺旋状にならない1種から改良されたものなので、名前の由来が見えないのです。他の原種も流通していますので確認してみてください。鉢植えシクラメンの元気で長持ちの条件は、窓越しの日光の多さで決まり、戸外で日光に当てても気温が10℃以下では効果はありません。日の差し込みが小さくなる3月ころ特に工夫が必要です。夏越し栽培は、鉢がえをしながら上手に続けてしまう方もおりますが、一般的には休眠法がとられます。このとき大切なのは、直前まで健全に育てられていたということで、葉が変色して枯れそうな状態、つまり腹ペコで無理やり眠らされたのでは生きて再開できる保証はありません。梅雨に入るころ風通しのよい日陰で葉柄を1~2cm残して全部を刈り取り、そのときから一切の水を断つ、というかなり荒っぽい方法でよいのです。8月下旬新しい土で植え込み、わずかの水分から徐々に戻します。