News

花ごころ 平成21年度春号

テーマ:ヒヤシンス

太陽神アポロに愛されたスパルタの王子ヒアシントスは、これを嫉妬した風の神ゼルフィスによって、アポロの投げた円盤の方向を変えられ、頭に受けて死んだ。流れた血から咲いたのがギリシャ神話のヒアシンスで、花言葉は悲哀、スポーツとなるようです。
野生の原種は青紫色で、改良2系統の中、オランダなどで改良されたダッチ系は花房も大きく、赤、桃はもちろん青系からは出にくい黄色まで生まれています。ただ、チューリップに比べ開花期や形に変化のないのは、原価が1種だけだからでしょう。以前はユリ科でしたが、最近、近緑の一族を率いて分家したようで、新しい図鑑ではヒアシンス科を名乗っています。早咲きで豪華な花ですが、球単価が高く、分球もなく年々みすぼらしくなるのが欠点です。花壇には、遅くても10月上旬、ということは前作の株間になることも多いでしょうが、球上12cmほどの土が被るように植え付けます。土は中性に近づけ、肥料は一般の球根よりやや多めに施します。終わりに近づいた花は、花茎をしごいて早めに落とすこと、2年以上同じ場所におかないことなどで克服できます。
殖やすには、6月、掘り下げた球根の底部から球の半分ほどまで十字に切り目を入れ、日陰に保存しておくと、9月には切れ目から無数の小球が生まれます。当年はそのまま植え、以後分けて育てると、4年目には多数の大球が得られるという珠算用?です。