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花ごころ 平成21年度冬号

テーマ:シンビジューム
ラン科植物は地球上に最も遅れて現れた植物で、まだ分化途中、一般の植物では交雑しない遠縁でも交雑することがあり、今も自生地で新しい種類が生まれつつあるといわれます。ラン科の仲間は25,000種、種子植物全体の1割に相当する大所帯なのです。
ランは、英語ではオーキッド、語源の意味が生殖器だとすれば、性別はどちらを想像しますか?欧州の地性ランで、茎元に毎年新旧2個の球根を着ける種類があり、この状態をギリシャ語のオルキス(陰曩)から転化したのだというのですから、何とも幻滅です。
市販のランの中で最も早く一般に流通したのがこのシンビジュームで、メリクロン(生長点培養)技術がいち早く確立したことと、豪華な花を咲かせながら株は驚くほど苛酷な環境に耐える扱いやすさからでしょうが、実際に素人が咲かせるとなると、それほど甘くはないもので、咲かずのランを長年面倒みている人も少なくないようです。
我が国自生のカンランやシュンランも仲間ですが、豪華な種類はヒマラヤ山地裾野原生とその交雑種で、熱帯雨林のやや高地、明るい林間の倒木や崩れた岩に根を下ろして育ち、乾期に花を咲かせることを知れば、育て方のポイントは見えてくるでしょう。
春は早くから暖かくしてリード(新芽)を育て、真夏までに数枚の葉を出させれば花芽ができる。このときまでは日光、水、肥料を十分に。花芽は秋の涼温で育ちます。