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花ごころ 平成23年冬号

テーマ:サツキ

実はサツキという種名は無いのです。ヤマツツジ、レンゲツツジと呼ぶようにサツキツツジというのが正しい名称で、600種もあるツツジ属の一種とされています。したがって、「サツキとツツジはどこが違う?」などという質問は成立しないわけです。
東北から九州まで少しずつ変異したものが自生していたようで、後にこれらが交雑されて現在のような枝毎に花色が違ったり、一花が咲き分けたりとサツキ特有の品種郡が生まれました。遅咲きツツジで旧暦の5月、皐月に咲くことからの名称といわれます。
大正から昭和初期にかけて流行し、特に挿し芽や盆栽に対する鹿沼土の有利性が見いだされて、宇都宮、鹿沼の品種改良、種苗生産が大きく発展します。昭和30年代後半から40年代にかけての第二次ブームには、過去の歴史からこの二市が全国のリーダー的立場であったことは記憶に新しいところで、市花としての指定もこうした実績からです。
庭植えの刈り込みについて一言。花後間もなく刈れば来年の花は咲きやすいが、新芽が伸び過ぎて姿が乱れやすく、遅すぎれば花は咲かない。元気な株は8月5日ころの刈り込みまで咲くが、7月20日ころまでが安全、老化株は7月5日ころまでとしたい。なお、勝手な時期に芽先を刈り込んでくれるベニモンアオリンガという手伝いがいて、8~10月に刈られると、せっかくの刈り込み時期も台なしになります。