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花ごころ 平成24年夏号

テーマ:アジサイ
豪華に咲いても派手ではなく、寂しげな面持ちながら陰気でもない。梅雨で湿りがちな人の心を和ませてくれるのは、たくさんの小花が集まっているせいでしょうか。
ユキノシタ科アジサイ属は世界で40数種の仲間がありますが、広く栽培されているのは日本原産種、ただ、その歴史はよくわかっていないようで、古く中国渡来のものと勘違いして紫陽花と当てられていますが、中国の紫陽花は全く別植物だそうです。なお、アジサイの名は、集真藍(あづさあい)の合成が定説です。
心変わり、浮気などとありがたくない花言葉をもらっていますが、これは花の色素と吸い上げられる土壌成分との関係で色変わりすることがあるわけで、基本は赤系、青系などの品種があり、本心ではありません。一般には青系は酸性土壌で、赤系は中性で育てると本質の色が出やすいものですが、ただアジサイの育ちは酸性好みで、アルカリ土壌では育ちませんし、昨年吸った成分が体内に残るから簡単には変えられません。
実を成らせるのは花房の中に埋もれて咲く4~5mmの花で、4枚の大きな花弁と見えるのは、退化して小さくなった花のガク片、実の育ちを待っているヘタだから雨にも負けず散ることもないのです。これからは、混雑枝を間引いて新枝の1本1本に十分秋の太陽を当ててください。頂芽はもちろん途中にも膨らんだ花芽がつきます。