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花ごころ 平成25年夏号

テーマ:ポーチュラカ(ハナスベリヒユ)

夏に庭や畑で見られる肉質の葉や茎をつぶすとヌルヌルとした液体が出て、踏み付けると滑りそうなことから、スベリヒユと呼ばれる雑草をご存じでしょうか。その数ミリの黄色い花を写真のように改良されたのが、園芸名ハナスベリヒユなのです。草花としては新参者で、昭和の園芸書には全く顔を出していません。いつ、どこで生まれたのかわかりませんが、平成の初期、種苗会社の紹介により急激に普及しました。葉の形や草姿はスベリヒユとほとんど同じですが、花の大きさ、色の豊富さは全く別物で、同じ属のマツバボタンが交配されたのでしょうか?
花後の果実が成熟すると、ナベの蓋をあけるか、帽子を脱ぐようにパックリあいて種がこぼれるので、属名のポーチュラカは、“ちいさな扉”(ラテン語)という意味のしゃれた名前がつけられています。ただ実際の改良種はあまり実らないため、挿し芽による苗で流通しています。
鉢植えを部屋にとりこむと、年末ころまではかなり元気で、容易に冬を越せそうに思えるのですが、寒さに弱いので木造家屋ではかなり困難です。
温度と日射しさえあればまさに雑草の強さで、挿し芽も夏の日射条件下で3~4日で発根します。
苗屋さんには内緒ですが、晩春早出しの苗を手に入れたら大きめの鉢に植え、暖かく育てれば夏までには存分に殖やすことができます。