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花ごころ 平成27年冬号

テーマ:ハボタン

欧州渡来のアブラナ科、キャベツやケールの仲間で、キャベツよりは早く、最初の記録は1708年、貝原益軒(かいばらえきけん)が著した「大和本草(やまとほんぞう)」に観賞用の「オランダナ」として記載されているようです。その後現代のハボタンに仕上げたのは日本です。


葉の縁(ふち)がすっきりして寒さに強い東京丸葉、刻みや波打ちがあり、色よく出るがやや寒さに弱い大阪丸葉、ちりめん状でまとまりよいが寒さに弱い名古屋縮緬などの系統があり、現在は一代交配で株揃いのよい種子が各種の名前で販売されています。


植物の色、青~紫~赤を担当する色素アントシアンの仲間シアニジンに糖が結び付くと赤くなります。夜の温度が下がると呼吸など消耗が少なくなって糖がたまりシアニジンを赤くし、同時に低温で葉緑素が消えることによって葉は赤く見えることになります。これは紅葉と同じです。ただ紅葉が古い葉にたいしてハボタンは新葉なのが不思議です。


一方白葉ですが、植物に白い色素はありません。葉表面の葉緑素が失われると下の葉肉に含まれる細かい気泡が反射して白くみえます。発砲スチロールの白です。
花壇用の種蒔きは7月上~下旬、早いと葉数が多く、大きくなるが足が長く、遅ければ小型になるが葉数がみすぼらしくなります。暑い盛りなので、床温を低く保ち、徒長させない工夫が大切。2~3回に植え広げるが、後半の窒素肥料はひかえます。