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花ごころ 平成28年冬号

テーマ:トキワナズナ
ひな祭りのころから咲き始めることから山野草愛好家ではヒナソウとも呼ばれます。
アメリカ北部からカナダ南部にかけて自生する耐寒性の野草で、開花期の長たけは5~7cm、白から薄紫の十字花を株一杯にひと月以上咲かせます。
思い出すことがあります。3月末の夕暮れどき、何げなく芝生の庭を見てハッとしました。「雪が降ったみたいだよ」との私の声に、「まさか?‥アッほんとだ…なーんだヒナソウじゃないの」との家族の言葉。やや日陰の部分は真っ白に、離れるにしたがって薄くまだら模様から芝地色しばちいろへと、写真に撮れば、まさに春雪の景色だったのです。
花研究の現役だったころ、先輩が東大日光植物園からいただいて栽培していたもののタネをわが家の芝生にばら蒔いたのがお付き合いの始まりで、その後、市緑の相談所 建物東側の芝生に縁付けて20年ほどになりましょうか。夏の半日陰、傾斜による排水、痩せ地のため繁茂し過ぎないなど、適地のようです。同公園の他に芝生に何回か蒔きましたが定着しませんでした。芝刈の頻度が問題のようです。
花が終わりに近付き、株元から枝分かれして株が密集するころ、梅雨の高温多湿に遇うと株腐れが頻発します。このとき芝を1~2cmに刈り込むと防ぐことができ、2次花も咲いてきます。鉢植えも同様にします。株分け、植え替えは秋になります。