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花ごころ 平成28年夏号

テーマ:アネモネ・コロナリア

学名のAnemoneは、ギリシャ語で「風の娘」の意味で、種が風で飛ぶことに由来するようです。確かにプランターなどで栽培した2~3年後に芝生の中などから花を持ち上げてくることがあります。ただし、宇都宮地域で種から育てるのは難しいことから、安価な球根を使用した方が良いでしょう。
 原産地は地中海沿岸でギリシャ神話や、ローマ神話にも出てくるほど古くから栽培、改良されてきた花で、早春の霜が頻繁に残る頃から咲き出し、梅雨前まで花期が続きます。30~40cmの長(た)けながら径7~8cmの大輪となり、赤や紫、その絞りなど橙黄(とうこう)系を除くすべての色を派手に咲かせます。
 越冬性の花壇、プランター用草花として優れていますが、本県であまり見かけないのは、植え付け期が10月上旬頃の、夏の草花が残る時期と重なるからでしょうか。遅い植え付けでは安全に冬は越せません。そこで植え付け期間はポットで育て、夏花が盛りを過ぎて衰えてきた頃合いに植え付ける方法があります。この際、株周りにビニールなどを敷いて霜柱から根を保護します。開花期の株の大きさに比べ球根が小さいため秋~冬に葉を茂らせておくことが春の花数を決めることになるからです。球根は高温多湿に弱いので、葉が枯れる前に掘り上げ、早急に、十分に乾燥しておきましょう。